こんにちは!イタリアの森の近くの庭から野生のコニファーを山採りして、今年で3年目を迎えました。
毎年鉢替えをし、今年は浅めの素焼き鉢への植え替えや針金掛けなど、少しずつ「盆栽らしさ」を楽しむステップに進んでいます。ですが、ここまでの道のりは失敗の連続でした。
この記事でわかること
- 山採りコニファーの3年間のリアルな成長記録
- 鉢割れトラブルや時期の誤りなど、やってしまった失敗談
- 3年目で試した「浅鉢への植え替え」と「針金掛け」の経過
- 全く大きくならなかった苗木の復活劇と枯れた原因
しかも育てて3年目にして、今まで「Cipresso(イトスギ)」と思って育てていた苗木は、葉の形や特徴をじっくり観察した結果、「これ、CipressoじゃなくてThuja(ニオイヒバの仲間)だ!」という衝撃の事実まで判明(笑)。
失敗から学んだ生々しい体験談が、山採りやコニファーの栽培に挑戦している方の参考になれば幸いです。
イタリアの山採りコニファー3年目、波乱の春がやってきた
北イタリアの丘の上の森の近くの中古物件の家を購入して4年、まだそこには住んでいないんですが、庭に1メートルを少し超えるくらいの若いコニファーが地植えされてました。
3年前の4月~6月くらいの時期で、地植えのコニファーの根元に小さな新芽がピョコピョコ生え続けていました。前年に種を採取して芽出しを考えましたが、手間が省けた!と思い、見つけるたびに素焼きの小さな鉢や、平たい鉢で鉢底穴がない鉢に穴をあけて、それに移植しました。
その年の7月くらいに、本葉が大きく育ち、その後10月以降、ヒノキ系の形に成長していきました。
あれから3年。

同じ年に採取したコニファーの苗木たち。3年間、育ちの良し悪し、もしくは個性は様々で、いろいろあったけど、それなりによく育った。
1つの画面に収まり切れないほどの数です。画像に映ってないものもあり、ざっと数えて15株と1つの鉢には5本植えているので、合計20株のコニファーを育てています。画像は7月の様子です。

振り返ると、この年の春に「3年目だしそろそろ本格的に…」と欲を出したのが波乱の幕開けだった。
【衝撃の事実】君、チプレッソ(イトスギ)じゃなくてニオイヒバ(Thuja)だったの!?
地植えされていた葉の形を見て、素人ながらヒノキ系の木だと思っていました。

ただし、実の形がヒノキっぽくなく、少し変わった形です。正体不明のまま、ヨーロッパヒノキ、西洋のヒノキだと考え、Google翻訳で「西洋ヒノキ」をイタリア語でなんて言うのか調べたら「Cipresso(チプレッソ)」と出たので、3年間「Cipresso(チプレッソ)」と思っていました。
画像は、3年目の2月末で、新しく植え替える前の状態です。星の形の雄芽・雄花がついていました。
地植えのコニファーも、秋から冬にかけて雄芽がつき始め、天然のクリスマスツリー化し可愛らしいです。
3年目にして植物アプリとGoogleレンズで調べたところ「Thuja」もしくは「Thuia」という名称の植物だとわかり、でも「Thuja」って何ぞや?でした。まぁ、ヨーロッパではそう言うんだな、程度でいったん事は済んだんですが、「Thuja」って何ぞや?と「Cipresso(チプレッソ)」の違いが頭の片隅に残っていました。

この記事を掲載する上で、わからないままにするには…(汗)と、Geminiに写真をアップロードしてCipressoかThujaか調べてもらった結果、『「Thuja(コノテガシワ/Platycladus orientalis、またはニオイヒバなどの近縁種)」です!Cipresso(イトスギ / Cupressus)ではありません。』との回答でした。
CipressoとThujaの見分けのポイント
調べた結果を記しておきます。
毬果(球果・実)の形と付き方【最大の決め手】
- 画像の状態: 先端近くについている星型・角状の反り返った小さな緑〜薄ピンク色の球果(若い実)が確認できます。
- Thuja(コノテガシワ等): 若い実にツノのような突起(フック状の反り返り)ができるのが決定的な特徴です。
- Cipresso(イトスギ): 球体(サッカーボールのような丸い木質構造)の実をつけるため、このようなツノ状の形の実はつきません。
葉のつき方(葉形)
- Thuja: 葉の面が平面状(平たく手のひらを広げたような形)に広がります。
- Cipresso: より立体的に、あらゆる方向に向かって細い枝葉が伸びます。
えーっと、最初はヨーロッパヒノキと考えていたモノ=「Cipresso(チプレッソ)」ではなく、コノテガシワもしくはニオイヒバの仲間という本当の正体が判明して、しかも、和名で言う「コノテガシワ」も「ニオイヒバ」も知らず、とても勉強になりました。(笑)
Cipresso も Thuja も、同じヒノキ科の仲間だけど、Cipresso は(イトスギ属)で、Thuja は(クロベ属/ニオイヒバ属)なんだそうです。
浅鉢へのお引越しとフライング針金掛け
松やヒノキの松柏類の盆栽の仕立て方は一般的によくあって、コニファーってどうやって盆栽風に仕立てるんだろうかと、3年目にして考え始めました。松の盆栽みたいな仕上がりするにはどうするんだ?手本がないからGeminiに聞いてみました。
3年目の苗木の「剪定の基本」、「盆栽仕立てにするコツ」、「年間スケジュール」を教えてくれました。
春(3月~4月)に植え替え・強い剪定・針金かけのベストシーズン。
ただし、AIの回答は間違っていました。ヒノキ科は春の成長期に針金掛けはしない方がいいが正解でした。
幹が太目の育ちのよさそうな物を選んで、3月中に植え替えし、強い剪定を試みた後に、針金掛けをしたのがマズかったのもあるが、もしくは室出し後の日差しの強さで、もしくは両方の影響でかわかりませんが、育ちの良かったものが、一部の葉が茶色く調子が悪くなりました。

針金掛けを試した直後の様子。
5月くらいから調子が悪くなって、茶色くなった葉は手で摘み取って、針金掛けも外しました。
7月上旬の同じ苗木の様子。
右側の一部の色が薄くなり、茶色くなってしまったので、部分的に切除しました。
針金掛けで下に下げて固定した枝も、外してから2か月後には「元通り上を向く」物理的敗北。。

時期を見直して、ヒノキ系の針金掛けは休眠時期(12月~2月)に入る寒くなる前がよさそうなので、11月くらいに再度試したと思います。
パキッ!衝撃で鉢粉砕&非常事態の緊急移植
それだけではありません。針金掛けをしようと持ち帰った一つの鉢を、見事に割ってしまう悲劇です。
冒頭で、まだ住んでいないとお伝えしましたが、初心者なので、針金掛けの仕方に手慣れていません。住んでいる場所に持ち帰って、ウェブサイトに載っている針金掛けを手本を見ながらやっていました。
丘の上の森の近くにある購入した家から実際に住んでいる場所へ自家用車で移動し、自動車の扉を閉じるときに手が滑って鉢を割ってしまいました。

予備鉢がなく、ありあわせの平鉢に避難させたものの…「高さを間違えて株元が土に納まらない」マヌケで愛おしい姿。
根元が土で覆いかぶせられず、ミズゴケで応急処置しました。
針金掛けの時期を間違えたのですぐに外した結果、これも枝が元通りに上に向くことに。


ミズゴケで隠している根元はこんな感じです。
わかりずらいですが、根っこが丸見えです。。
3年間沈黙していた「微動だにしない苗」の奇跡の復活劇
同じ年の庭に生えたThujaの苗木たちですが、画像手前の4つはあまり大きくなりませんでした。
手前の右から3つ目は、一番早く芽が出て、毎年、一回り大きい鉢に植え替えしたのに、なぜか大きくなりません。
他の3つは、遅い時期に芽が出たもので、2年間植え替えはしませんでした。


3年目の3月中旬に撮った画像です。手前右側の2つは、他のと比べて葉の色がまだ寒い時期に色が紫や褐色に変化する状態で緑色ではありません。
記憶が定かではないですが、小さく育った苗木の鉢底石は木炭(黒炭)を敷いていたと思います。
大きく育ったものは、鉢底にLapillo vulcanicoという溶岩石(火山岩)の一種でイタリアの園芸店で売っているものですが、それを入れてました。
火山噴火の際にマグマが空中へ吹き飛ばされ、急速に冷えて固まった小石状の岩石です。
日本の園芸分野で扱われる「火山礫」「溶岩砂利」「富士砂」などとほぼ同じ性質・役割を持つ素材のようです。
調べた結果、木炭を入れていたものは「土壌のpH(アルカリ性への傾き)」と「養分・水分を吸着する性質」の2つが大きく影響していた可能性がありました。

3年目の植え替え時期に大き目の鉢に植え替えた際、Lapillo vulcanicoという溶岩石(火山岩)を鉢底に入れて赤玉と腐葉土を混ぜた土にしたところ、4月以降から緑色の葉に代わって新しい葉も生えてきました。
小さく育ったものは、豆盆栽とてし仕立てるのもありかもですね。
大きく育たず枯れてしまった苗木が教えてくれたこと。主な3つの原因
木炭を鉢底石の代わりに入れていたのは、木炭は虫を寄せ付けない・鉢底石の代わりに使える、というのをどこかの園芸ブログ記事で読んで覚えてたので、使っていましたが、植物の性質によって使い分けた方がいいということを知りました。大きく3つに分けた原因を記しておきます。
その1)土壌pHの上昇(弱アルカリ性化)
Thujaは「弱酸性〜中性」の土壌を好みます。木炭には微量の灰分(微量なアルカリ金属)が含まれているため、水やりをするたびに鉢内の土壌をアルカリ性に傾けてしまう性質があります。土がアルカリ性になると、Thujaが根から鉄分などの養分を吸い上げにくくなり、生育不良(大きくなりにくい・葉色が冴えない)を引き起こします。
その2)養分の吸着(初期の肥料不足)
木炭(特に「未吸着の木炭」)は多孔質で非常に高い吸着力を持っています。土の中の肥料成分(窒素やリン酸など)を木炭自体が強力に吸い込んで閉じ込めてしまうため、苗木の根に十分な養分が行き渡らなかった可能性があります(※Lapilloも多孔質ですが、養分を強力に吸着・固定する力は木炭ほど強くありません)。
その3)水持ちと排水性のバランスの差
Lapillo(火山礫)は水はけを確保しつつ適度に空気を引き込みますが、木炭は水分をかなり保持する性質もあります。根の周りが常に湿りすぎたり、逆に木炭自体が水を抱え込んでしまって根にスムーズに水分が届かなかったりと、水管理の条件が変化したことも影響します。
Lapillo(火山礫)との相性
Lapilloは無機質の火山岩であるため、土のpHを大きく変えることがなく、多孔質構造で保水性・排水性・通気性のバランスが優れています。針葉樹であるThujaにとって、根の環境を安定させやすかったのがLapilloの方だったと言えます。
まとめ:3年目は「人間も樹も試行錯誤」。だから盆栽はやめられない!
勘違いや失敗、ハプニングだらけだったけれど、生きているからこその面白さ。
Thujaは、コノテガシワやニオイヒバの仲間と分かったので、9月~11月に軽めの剪定と針金掛けを再度試して、4年目に向けて整えていきたいと思います。
またの機会に、その後の様子をお届けします。






